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第1回 給与所得者の確定申告

<給与所得者(サラリーマン)の確定申告>

毎年、確定申告時期を迎える頃に、給与所得者(サラリーマン)の方から、「確定申告はしなくてよいのか」という質問をいただきます。
そこで、今回は、年末調整と確定申告との関係を整理することを通して、給与所得者(サラリーマン)の確定申告についてご説明したいと思います。
年末調整は、簡単にいえば、給与所得についての確定申告ということができます。もし、年末調整というものがなかったら、給与所得者は、一年間にもらったお給料の明細をもとに各自が税務署に確定申告を行わなければならなくなるかもしれません。しかし、現在の法律ではそのようなことにはならず、通常は、年末調整を行っています。
年末調整とは、給与支払者(会社)のもとで確定申告と同じような手続きを行い、年末に一年間のお給料に対する所得税の額を確定させて、毎月のお給料から天引きされていた所得税を精算する手続きです。
会社で確定申告に代わる手続き(年末調整)をしているので、確定申告を行う必要がないのです。年末調整は、給与所得のみについての確定申告の代替的・簡便的な手続ということができます。
簡便的な手続きなので、例年と違うイレギュラーなことが起こった場合には、『年末調整では対応できず、確定申告が必要になる』場合もあるといえます。
例えば、病気がちで医療費の支払が多くなってしまったので控除を受けたいとか、借金をして住宅を購入したので1回目の住宅取得控除を受けたいとか、災害や盗難などで資産に損害を受けたので控除を受けたいとか、一定の寄附金を支払ったので控除を受けたいとかいう場合には、年末調整ではなくて、確定申告を行わなければ控除等は認められません。その場合、必要な証明書や領収書等を添付することが必要です。
以上の場合、年末調整で精算された給与所得に対する税金の一部が還付されることになります。
一方、給与以外の所得がある場合においては、原則として、確定申告を行わねばなりません。例えば、家を売却したり、保険が満期になったりした場合です。なぜなら、年末調整は給与所得についての代替的・簡便的な手続なので、それ以外の所得についてはカバーしきれていないので確定申告が必要になるのです。
また、年末調整を行っている会社以外から給与を受けている場合も、年末調整でカバーしきれない所得があることになるので、原則として、確定申告を行わなければなりません。
以上、簡単に年末調整と確定申告との関係を整理して、給与所得者の確定申告についてご説明いたしました。ご参考になれば幸いです。
(記:税理士 本田伸二)

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