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第8回 沖永良部島に再度、島流し

島津斉彬の死後、藩主忠義の実父久光が実権を握り、意見の合わない西郷は大島からの召還二カ月で、文久二年(1862)にまた島流しとなり、徳之島に着いたが久光のまだ遠い島へとの命で、三カ月のちに沖永良部島和泊に流された。はじめは広さ二坪あまりの囲い格子で、雨風が吹き込む牢屋に閉じ込められた。雨風の吹き込む牢の中に端座して三食以外は水も飲まず、まるで座禅を組んでいるようだったという。このままでは健康が保たてられないと、心配した藩の役人間切横目である土持政照が、改築し部屋も広く明るく造られた。
それからは千二百冊以上の本を読み、牢外に集まる若者たちに道を教え、有識者も訪れて話を聞いていた。
一年六カ月にわたる牢獄生活を送る生活は、読書と青少年の教育で過ごされ、「敬天愛人」の思想はこの島で包芽したという。
南洲神社は島民たちによって、明治35年(1903)に建立された。いまでも境内に遊ぶ楽しげな子供たちの声が響いている。

永良部西郷神社に立つ西郷さん
永良部西郷神社に立つ西郷さん