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第6回 蘇生の家

鹿児島市吉野町花倉の国道バス停留所の近く、日豊線の線路沿いに小さなワラぶきの家があり、入り口には西郷南洲蘇生の碑がある。
霜月 ( 陰暦十一月 ) 16日の夜明け前、月の光が冷たく光る海に二人は、抱きあって海に身を投じたために体は冷え切り息も途絶えていた。大きな水音に驚いた同行者や船頭は、船をぐるぐるとこぎ回しているうちに、二人が浮かび上がってきた。
同行していた勤王志士の平野國臣たちが、助け上げたが二人の体は冷え切り、体温も冷たく息はまったく途絶えていた。自分の着物を脱いで着せ、火を焚いて体を温めた。しばらくして西郷はかすかに息を吹き返した。
西郷の紙入れ(財布)の中に、
-大君のためには何かをしからん さつまの瀬戸に身は沈むともと月照上人覚悟の辞世二首が入っていた。
当時の家は古くなり昭和44年3月に建て直され、いまは地区の会合などに使用されている。

西郷蘇生の地
西郷蘇生の地